【レポート】黒石寺蘇民祭2018
Ma-tourism™ in Oshu2018終了しました!!
(企画内容はこちら)https://www.matsurism.com/posts/3489353
2/22(木)〜2/23(金)と今年で1290年目を数える奥州の奇祭、黒石寺蘇民祭に参加しました!
最低気温マイナス12℃という、川も氷るほどの近年稀にみる寒さにめげることなく、ふんどし一丁で、水垢離、火炙り、蘇民袋争奪戦と参加者全員無事最後までやり遂げました!戦いを終えたあとは温泉と一週間ぶりのお肉を口にし、達成感と安堵感に包まれました。
祭り前の流れ
一.祭サミット
1/27東京で行われたマツリズム主催の祭りサミットに蘇民祭青年部の岩城さんにご登壇いただき、どぶろくと共に祭りの魅力を発信。その場に居合わせたTさんが参加を決断します。
二. オンライン勉強会
2/15には藤波住職による蘇民祭オンライン講義を行いました。1290年続く祭りの起源から、精進の仕方まで密なディスカッションが行われました。
三.精進
蘇民祭参加にあたっては、一週間の精進が必要です(肉・魚・卵・ニラ・ニンニク等を断つ)。オンラインでグループをつくって参加者同士、励まし合います。大学四年生のKくんは精進に合わせて、宮城の祖父母の家に帰省し、田舎料理を堪能したそうです。一方、Tさんは都内で外食中心の生活のため苦労するも、週4回の飲み会地獄をなんとか乗りきったそうです。
祭り中の流れ
2月の岩手は毎年寒いのですが、まさかのマイナス12度という超極寒のコンディション。
しかし、蘇民祭青年部の方々のあたたかなもてなしや、蘇民食堂での夕食を経て少しずつリラックス。ふんどしを着用し、戦いに備えます。
週末お祭りハンター「わっしょい黄太郎」さんとも遭遇し、合流します。
http://www.wasshoikitaro.site/
午後10時〜 蘇民祭開始
裸参り(夏参り)と呼ばれる第一の行事。約300人程度が参加します。
写真映えする水の被り方のレクチャーを元に、山内川に臨みます。
境内を3周するのですが、今年の寒さは異常。手足の感覚がなくなるのをカモフラージュするように「ジャッソ、ジョヤサ!!」と振り絞るように声を出します。
(激しく水を被ったKくんはあまりの寒さにへこたれていました…)
午後0時〜 柴燈木登り
大きな巻をくべ、その上に男たちが乗って周りの民衆に対して己の存在をアピールします。
火そのものよりも、キツいのは煙。喉と目をやられるので注意が必要です。
そのあとは、薪持って、境内までの階段を「ヨ〜〜」という声とともに、地面を這いつくばるようにして階段を駆け上がります。最後には番人が待っており、気合が入っているかをチェックします。
午前1時
その後はしばし休憩…。マツリズムのために準備していただいたお籠り小屋で暖をとります。
その間にも、護摩炊きなどの仏事が着々と行われています。これもそれぞれがかなり異様な光景です。
今年が住職として初めて蘇民祭を迎える藤波大吾さん曰く、「午前3時くらいが本当の祭りです」とのこと。
午前5時
メイン行事である蘇民袋争奪戦が始まります。この頃には人数も1/4程度に減っています。積極性に溢れるTさんは格子を登って煽る役をすることに!!スクラムを組みながら1キロ程度移動します。やはり寒い。午前7時頃に今年の取り主が決まり、蘇民祭りは無事終了します。
祭り後の流れ
祭り後は、温泉に移動し、疲れを癒した後、仮眠….。
その後、一週間ぶりの肉を食します。知る人ぞ知る焼肉の名店『龍園』です。
ホテルで爆睡し、次の日に解散をしました。東京に戻っていきました。
参加者の感想(一部)
「ニューヨークでの語学留学と迷ったが、蘇民祭を選んで良かった。世界が広がった」
「自分の限界をする経験だった。乗り越えた後の達成感はこの上ないもので、これさえやれれば何でも乗り越えられる気がする。就職活動に悩んでいる友人にも経験してほしいと思った」
おわりに
蘇民祭と関わるのは4年目となりますが、これほど再生を経験できるお祭りはないと思います。一週間の精進を経て、自分と向き合い、男同士でぶつかり合い、そして最高の達成感を得る。是非様々な方に体験してもらいたいと思っています。
※来年の祭りの日程は2/11(祝)〜2/12(火)です
一方で、年々参加者が減っていることも肌で感じています。岩手県には黒石寺の他にも蘇民祭が10ほどあり、そちらは担い手不足で困っているとも聞いています。そちらもマツリズムとして何か役に立てることがあればとも考えています。
邪正!蘇民将来!!